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2010年12月13日

観戦記の未来

 現在新聞の観戦記は危機にあると思う。

 昭和のはじめ、院社対抗戦の観戦記を掲載し、著名な文人に担当させるなどして発行部数を実に3倍に伸ばしたのが読売新聞社である。読売が一流紙に並べたのはこの興行が当たったからだ。当時囲碁はそれだけ魅力的なコンテンツだったわけで、各紙囲碁欄にはお金もかけたし、そのかいがあった。

 現在趣味の多様化とともに囲碁の地盤沈下も手伝って、囲碁欄にそのような魅力がないどころか囲碁ファンでも囲碁欄をさほど注目しなくなった。一つには長くても2日で結果が出る対局を、数日い置いてから数回に分けて連載するという情報提供のテンポが、全く時代に合わなくなったからだといえる。昔はいち早くプロの棋譜を目にする数少ない手段であり、直接対局を目にする機会を得られない読者にとっては観戦記者の筆と自らの想像力こそがすべてであった。現在ではリアルタイムで進行を確認できたり、場合によっては対局風景も見られる。囲碁欄に登場するころには情報としてほとんど死んだ状態になっていると言ってもよいし、観戦記の必要性も著しく低下したのだ。

 この傾向は覆しがたいので、新聞観戦記はいずれは滅びる運命にあるのだろうし、未来だけを考えるならばネットでの情報提供の方法を考えていくことだけに絞ればよいかもしれない。しかしここでは、あえて既存の新聞観戦記を存続させるとして、どのような工夫があるかを考えてみたい。

 まず新聞観戦記の最大の問題点は、いつどの棋譜が掲載されるかが不明でしかも対局時と掲載時の時差が大きいので、たとえある対局に興味があったとしても観戦記を見逃すことが多いということだ。これは日本棋院や主宰紙が真剣に考えるべきことである。ネットなどであらかじめ掲載予定を発表するなどの工夫があってよい。Twitterの利用も面白いのではないかと思う。

 また棋譜の著作権の問題もある。
 著作権の保護は確かに重要である。しかし著作権はただ強化すれば利益になるとは限らない。著作権を強化しすぎれば利用そのものが減って、著作権保持者の利益を損なう。新聞観戦記もそうで、主宰紙に掲載されるまで棋譜は一般公開されない場合がほとんどだが、そのことが本当に利益を生み出しているか疑問に思われる。
 囲碁(ボードゲーム)の特徴として、何が起きたかは見ればわかるが、それが何を意味するかはは実力がなければわからない。(棋力に応じて解釈が存在するともいえる)棋譜を公開しただけでは、ほとんどのファンにとって十分に意味をなさない。ほとんどのファンにとっては解説があって初めて棋譜は意味をなす。そこに観戦記の必要性があり、棋譜を早期に発表することはむしろ宣伝になるのではないだろうか?
 さらに対局された棋譜を個人のブログなどに引用しやすい形で提供していけば、利用者の記事を追跡することで「一般のファンが何を疑問に思っているか」「どの部分を解説してほしいと思っているか」「何を誤解しているか」などといったことが判明し、よりニーズにあった観戦記を書くために指針となるかもしれない。

 いずれにしても、昔と同じようにただただ記事を作るだけでは新聞観戦記に明日はないと思われるが、その工夫が見えないのが不満である。 
posted by das53jp at 20:06| Comment(2) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一流紙ですね(汗)。

このコメント、ご覧になったら消していただいて構いません。
Posted by GO! at 2010年12月13日 21:20
GO!さん>>
ありがとうございます。
Posted by だす at 2010年12月13日 22:38
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